第2章 めざす学校のカリキュラム
2-1.カリキュラム要素
⑪ ランチタイム
お昼ご飯を食べる時間とともに、食後に十分に遊んだり、休んだり、自分が自由に使える時間を多く確保する。
遊び
子どもの育ちに欠かせない「遊び」を1日の中(ブレイクタイム、お昼休み等)、1週間の中(自由活動)で、その時間を保障する。



1) 学校のカリキュラム要素一覧
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私たちの学校のカリキュラムは、下表に示すとおり12の要素で構成されます。
2) 既存の学校の教科等との関連
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私たちの学校のカリキュラム要素と既存の学校の教科等の関連を示すと下表のとおりとなります。
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「基礎学習」は個別教科の学習、「テーマ・スキル学習」「プロジェクト」等は教科横断型の学習です。

2-2.時間割
小学部 時間割
◇ 学習活動の開始は9:00、終了は15:20。午前3 時限、午後2 時限で構成される。
◇ 但し、水曜日の終了は12:30 とする(午後の時間は、一定のルールの下、生徒は学校施設を利用できる。)。
◇ 「基礎学習」は、月曜日から金曜日まで毎日、1 限と2 限(4 週に1 回の割合の月曜日は3 限も)に行う。
1 週間あたりの学習時間は、45 分×12 コマ+45 分×1/4 コマ=551 分(約9.2 時間)である。
◇「プロジェクト」(月曜日)、「テーマ・スキル学習」(木曜日)は、4 週に3 回の割合で、各曜日の2~4 限135 分で行う。
◇「分野別学習」は、毎週水曜日の3 限45 分と、4 週に3 回の割合で火曜日の3~4 限90 分で行う。
◇ 個人レベルの週間のふりかえりと翌週の計画を立てるための時間として「個別学習計画」を金曜日3 限に、クラスレベルの学級自治の時間として「クラスタイム」を火曜日3 限に、全校レベルの学校自治の時間として「全校ミーティング」を金曜日5 限(休憩10 分を含めて55 分)に行う。
◇ 一人ひとりの学びの成果などを他の生徒の前で発表する時間として、「シェアリング」の時間を、4 週に1回の割合で、木曜日3 限に行う。
◇ 毎日の始まりと終わりには、表現・対話、ふりかえりの時間として「サークルタイム」を15 分ずつ設ける。
◇ 活動の最後には「ユースフルタイム」(掃除や環境整備等の時間)を15 分行う。
◇ 1 週間の中で自由に遊び・活動する時間として、毎週金曜日4 限および4 週に3 回の割合で4~5 限に「自由活動」の時間を設ける。1 日の中では午前中の1,2 限の基礎学習で集中した後に、自由に遊び休むことができる25 分間の「ブレイクタイム」を設ける。また、お昼休みも70 分間確保し、昼食後に十分に遊び休むことができるようにする。

中学部 時間割
◇ 学習活動の開始は9:00、終了は15:20。午前3 時限、午後2 時限で構成される。
◇ 「基礎学習」は、月曜日から金曜日まで毎日1 限と2 限と、4 週に3 回の割合で4・5 限に行う。1 週間あたりの学習時間は、45 分×12 コマ+45 分×1.5(6/4)コマ=607.5 分(約10.1 時間)である。
◇ 「基礎学習」では、用意された国語、数学、英語、理科、社会の教材を用いて、どのコマで何を学ぶかを、「個別学習計画」の時間に各自で設定する。
◇「分野別学習」は、毎週水曜日の3 限45 分と、4 週に3 回の割合で火曜日の3~4 限90 分で行う。
◇ 個人レベルの週間のふりかえりと翌週の計画を立てるための時間として「個別学習計画」を金曜日4 限に、クラスレベルの学級自治の時間として「クラスタイム」(基本は小学部高学年と合同)を火曜日2 限に、全校レベルの学校自治の時間として「全校ミーティング」を金曜日2 限に行う。
◇ 一人ひとりの学びの成果などを他の生徒の前で発表する時間として、「シェアリング」の時間を随時設ける。
◇ 毎日の始まりと終わりには、表現・対話、ふりかえりの時間としてサークルタイムを15 分間ずつ設ける。終わりにはユースフルタイムも15 分間加わる。
◇ 1 週間の中で自由に遊び・活動する時間として、毎週金曜日4 限および4 週に1 回の割合で月曜日3 限に「自由活動」の時間を設ける。1 日の中では午前中の1,2 限の基礎学習で集中した後に、自由に遊び休むことができる25 分間の「ブレイクタイム」を設ける。また、お昼休みも70 分間確保する。
◇ 「自主学習」は、各カリキュラム活動で、より探求したいこと、補完して学びたいこと、スタッフに教えてほしいことなど自由に自主的に学びができる時間として位置づけ、毎週水曜日4・5 限に設ける。

2-3.年間スケジュールと授業時間
1) 年間スケジュール
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私たちの学校の1年間のスケジュール(例:2020年度のカレンダー)は、下図のとおりです。
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2学期制で、(前期:4/1~9/31、後期:10/1~3/31)年間の授業日数は190~200日程度となります。
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学期末各9日間を、点検・評価(個人・スタッフ)、学習発表(個人・クラス)、保護者面談の期間にしています。
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長期休み後の最初の日を「緩衝日」として設定
・緩衝日の時間割…1・2限目:振り返りと個別学習計画、3限目:クラスタイム、4・5限目:自由活動

2) 長期休暇について
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長期休みとして、一般的な夏休み、冬休み、春休み以外に、秋休み、梅雨休み、GW休みを設定(それに伴い、夏休み期間を8/1~8/24 に短縮)しています
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こうした休暇制度を設けることで次のようなメリットが考えられます。
・子ども … 定期的なまとまった休みは、休む権利の保障と自分を振り返ったり、新たなことにチャレンジしたりする機会とすることができる。
・スタッフ… 毎月、授業がない平日がができ、定期的なふりかえりや教材作成などを、個人やスタッフ間でじっ
くり行うことができる。
・保護者 … 子どもと一緒に休みが取れれば、子どもと季節ごとの旅行や体験ができる。
・学 校 … 既存学校が夏休み期間中で私たちの学校が授業の日に、学校教員向けの研修の機会を提供し、私たちの学校の理念・手法の既存学校へ波及させる機会とできる。
2-4.学びと共育の個別計画とふりかえり
基本方針
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学びや共育の基本的な範囲や方向は示しつつ、子ども自身で、年間、学期、週間で学びたい範囲や身につけたい価値観・チカラの目標設定を行います。
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そのうえで、一人ひとりが、何を学び、何に気づき、どう考え、どう行動するようになったかを、蓄積・視覚化し、子ども自身が自ら設定した目標に対して、節目節目に各自でふりかえりができるようにします。そうすることで、自分の成長と課題を実感できるようにするとともに、次のステップに生かせるようにします。
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また、学校スタッフや保護者が、子どもの成長と課題をどう捉えているかのフィードバックを行い、伴走者として見守っているということを感じられるようにします。
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テストや通知表などによる到達度や能力の点数による集団の中での相対評価、絶対評価は行いません。