A.理想の学校を創る会 設立趣意

  • 日本の義務教育の就学率はほぼ100%。進学率は98%、大学進学率は59%。数字的には教育の行き届いた国ですが、一方で全国の不登校の子どもは小、中、高で17万3,750人、高校中退は5万3,937人(文科省調査H.23年度)。名古屋市でも小学生468人、中学生1481人となっています。成果主義と競争社会、高度に発達したSNS、人間関係の希薄さ、社会の閉塞感、格差・貧困といった大人社会の影響を、よりダイレクトに受けてしまう子どもたちの生きづらさも計り知れません。自分を大切にすること、相手も大切にすること、信頼関係を築くこと、非暴力で肯定的に伝え合い、受けとめあうこと、対立を建設的に解決するスキルを習得すること等は、それらを育む環境や学ぶ機会がなければ身につけることができず、いらだちや不安、つらさが、声にならない声として表現されている日常があることを、これまでの放課後の子どもを支える活動から実感しています。

  • しかしながら、子どもは生まれながらにして好奇心を持ち、知りたい、学びたい、人の役に立ちたい、社会につながりたいという欲求や自ら育つ力をもった存在です。守られ保護されるだけでなく、権利の主体として、市民のひとりとして、共に未来を描き、望む社会を実現できる力を持っています。私たちはこのような秘められた子ども本来の力が発揮される社会を望みます。誰もが自分に生まれてきてよかった、この国に生まれてきてよかった、あなたと出会えたこの時代に生まれてきてよかった、と思える社会の実現を望みます。一人ひとりが大切にされ、一人ひとりを大切にする社会、人権と環境と平和とが守られる持続可能なよりよい未来の実現を望みます。

  • 私たちは、教育(学び・共育)こそが望む未来を実現するための鍵だと考えます。未来を共に創る主体である子どもたちが、自分の持ち味と力に気づき、その力を開花しながら、自分らしく十分に生きることができるように、他者や地域や地球とつながり、心を込めて自分自身や自分たちの生きる社会に手を入れていく力を育くむために、人と社会の健やかさを育て合い、学び合い、育ち合うことのできる学びの場を創るため、私たちは「理想の学校を創る会」を設立することにいたしました。

  • 「学び」とは自分自身の意志で、自分らしく生きていく力を得るための自発的な営みです。「共育」には子どもたちを社会に送り出す役割があります。「子ども」は社会を構成する市民のひとりです。変化の激しい時代に、新しい変化に対応し、いまどのような社会であったらよいのかを、自ら考え行動できる市民の育成は子ども期からはじまっています。

  • 私たちは、参加と対話を大切にし、対等で丁寧に関わり合い、自己肯定感を育てあい、人権・環境・平和といった人類共通の課題について学び、持続可能なよりよい未来のビジョンを共有し、自己実現と社会のビジョンを実現するために必要な力(個性、関係性、社会性・公共性)を育て合うことを大切にした「学びや共育」に取り組む学校づくりを目指します。

  • そして、子どももおとなも共に、自立と共生をめざし、心の中に平和の砦を築き、わたしから、私たちから、地域から、人々の幸福と平和を創り出す取り組みを具現化し、発信し、実現していきます。

 

​                            2015年6月20日 理想の学校を創る会 設立総会

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